ホノルル点描
第 35 回 : 今は教会となっている元「大映映画の国際劇場」

画: 西川幸夫

 

 
ホノルル・ダウンタウンのヌアヌ街とベレタニア街角に半円形の変わった建物があるが、ここはかつて大映映画の常設館であった。
 
戦前、アアラ公園周辺は日本館、ホノルル座などの日本映画上映館が何軒か並んでいた日本人町であった。 その一角に、
映画輸入業者の木村宗雄氏は永田雅一大映社長の協力を得て、一九四一年にホノルル初の日本人の完全経営による、
千人収容出来る映画館「国際劇場」を建設した。
 
大映常設館として順調な経営が続いていたが、一九六三年に打ち出されたククイ地区再開発によって少し離れた現在地に
移転を余儀なくされた。 一九六四年十二月十一日に新国際劇場は開館、そのオープニング・セレモニーには、田宮二郎、
藤村志保らのスターたち、永田雅一大映社長がステージで挨拶した。
 
その後も、大映の新作映画が次々に上映され、日系人の娯楽の殿堂として大いに栄えた。 しかし、一九七一年に大映が
倒産、それからはストックのフィルムを上映してい たが一九七三年、それも底をつき、中国系の興行主に売却した。
 
その後、その興行主も手放し、今はホノルルだけの独立教会「ニュー・ライフ・チャ ーチ・ホノルル」が持ち主、となっている。
教会になって内装はかなり変わっている が、ステージと観客席の半分近く、五百席は残されており、教会の催しを主に、他の
教会関係のイベントにも開放されている。
  
文:永井  雄治
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