ホノルル点描
第 28 回 : 近代美術と共に広大な庭園も楽しめる「コンテンポラリー美術館」

画: 西川幸夫

 

 
マキキ・ハイツの住宅地にあるコンテンポラリー美術館は、一九二五年に、実業家のチャールズ・モンタギュー・クック氏の妻
だったアナ・ライス・クック夫人の住宅として建てられた。
 
クック夫人は、それまで現在「ホノルル・アカデミー・オブ・アート」となっている建物に住んでいたが、建物を同美術館に寄贈
したのを機に、当地に住宅を建設した。 一九六八年、クック夫人の娘のアリス・スパルディングさんは、建物を「ホノルル・ア
カデミー・オブ・アート」に遺贈し、その後一九七〇年代にいくつかのデベロッパーの手を経て、「ホノルル・アドバタイザー社」
の子会社の手に移った。
 
一九八六年、その会社の所有者であったトゥウィーグ・スミス家は、敷地と建物をコンテンポラリー美術館設立のために寄贈
し、二年後の一九八八年、コンテンポラリー美術館が開館した。 コンテンポラリー美術館は、ハワイ州 唯一の近代美術専
門の美術館で、館内には常設展示物と共に、期間限定の近代美術展覧会が常時開催されている。
 
敷地内には、牧師でもあり庭園設計士でもあったKH稲垣牧師が設計した広大な庭があり、「彫刻と瞑想の庭」や「熱帯
植物のテラス」と名付けられた 庭園の他、小径などが『自然との調和』をテーマに造られている。 別棟の「ミルトン・ケイデス・
パビリオン」には、アメリカの著名芸術家、デイビッド・ホックニーが、一九八三年に制作した「子供と魅惑」という子供から大人
まで楽しめる劇場のような立体作品がある。
 
コンテンポラリー美術館には、この他に、図書館、売店、カフェなどがあり、ゆったりとした雰囲気の中で近代美術を楽しめる
場所となっている。 また、ダウンタウンのビショップ通りと南キング通りの角にある「ファースト・ハワ イアン・センター」には、
コンテンポラリー美術館の別館がある。
  
文:榊原 百合惠
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