ホノルル点描
第 25 回 : ホノルルマラソンのゴール「ワイキキの松並木」

画: 西川幸夫

 

 
ワイキキのホノルル動物園前からニューオータニ・カイマナ・ビーチホテルあたりまでのカラカウア通りの両側に高く伸びた
松並木がみられる。 この松並木は、カピオラニ公園を開発するために、その工事の一端として一八九〇年(明治二十
三年)に植えられたものである。 植林されて数年後と見られる古写真によると、当時は今のカラカウア通りが細い川で、
堤に沿って両岸に植えられており、護岸の意味があったようだ。
 
この木、松といっても日本の松と違って、非常に成長の早いシュガー・パイン、通称「メ リケン松」と呼ばれる種類のものだ。
この地の他にも市内で散見できるから当時、競って植林されたのかも知れない。 この松並木の植樹を発案したのは実業
家のアーチボルド・クレグホーンで、工事現場の監督は一八六八年(明治元年)にハワイにやって来た元年者のひとりであ
る小沢金太郎で、実際に植樹の仕事に従ったのは一八八五年(明治十八年)に 来航した官約移民第一回船組の人
たちだったと言われている。
 
なお、クレグホーンはハワイ王族のリケリケ姫と結婚、日本の皇室(東伏見宮依仁親王) とのロマンスを噂された悲劇の
王女、プリンセス・カイウラニの実父に当る。 ハワイの歴史を彩る人たちの手によるこの松並木。今では毎年十二月の第
二日曜日に行われるホノルル・マラソンのゴール地点になっており、二万数千人のランナーがゴールインする姿を、感慨深
げに見下ろしている。
 
文:永井 雄治
<<- ホノルル点描 の目次に戻る