ホノルル点描
第 21 回 : 日立の「この木、なんの木...」 - モアナルア・ガーデンの「モンキーポット」

画: 西川幸夫

 

 
日本からの観光客に、「日立の木」というのはどこにあるのですか?とよく聞か れる。H1フリーウエイ沿いにあるモアナルア
・ガーデンにあるモンキーポットのことのようだ。
  
  この木なんの木
       気になる木
  名前を知らない
       木ですから
  名前を知らない
            木になるでしょう
  なんとも不思議な
       木ですから
  なんとも不思議な
       木になるでしょう
  見たこともない
       木ですから
  見たこともない
       花が咲くでしょう
 
こんな歌詞で、一本の形の美しい枝ぶりの樹齢百年を越すモンキーポットが映し出 される日立のTVコマーシャル。 日立
グループの十数社の社名が連ねられて、企業 グループの存在をアピールしている。それに、このCMは一九七三年から
始まり、今も続いており、すでに三十三年になるというからギネスブックものである。 だから大概の日本人が知っている。
日立はCM使用料として同ガーデンに年間二万ドルを支払っていると聞いた。
 
このガーデンの所有者はデイモン財団。 一八八四年にサミエル・ミルス・デイモン 氏が、プリンセス・バーニース・パウアヒ・
ビショップから貰った、広大な土地の一角である。 デイモン氏の死後、財団が受け継ぎ、モアナルア庭園として造成し、市
民に開放してきた。 十数本あるモンキーポットはホノルル市議会から重要樹林に指定されている。
 
一昨年、同財団の最後の相続人だった人が亡くなり、遺言により財団の解体が始まっており、年間七十万ドルの維持費
がかかることから、今、このガーデンの存続自体が問題になっている。
 
文:永井 雄治
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