ホノルル点描
第 18 回 :今年80周年を迎える 「アロハタワー」

画: 西川幸夫

 

 
ホノルル港を望むアロハタワーは今年で八十才になる。希少なハワイアン・ ゴシック建築で、高さは十階建ての五十六メートル。
緑色の丸天井が頭にかぶさり、さらにその上に十二メートルの帆柱が青空に上る。 四面についている時計とエッチングされた
ALOHAの文字はかなり遠くからでも見られる。 十階の展望デッキからはホノルル海岸のパノラマを楽しむことができる。
 
旅行が海路で行われていた時代、アロハタワーはホノルル港に乗降する旅客を歓迎するために造られた。その頃ホノルルは既
に裕福なアメリカ人やヨ ーロッパ人の間で人気の休暇場所で、ホノルル地域社会も港を中心に繁栄していた。 マトソンの豪華
客船でアロハタワーに接岸すると、旅行客たちはハワイアンミュージック、レイ、フラダンサーに迎えられ、多くの住民も港に集ま
り盛大に歓迎セレモニーが行われた。
 
しかし飛行機が主要な旅行交通手段となって、マトソンは一九七〇年代に入ると客船の運行を中止、ホノルル港もアロハタワー
も昔のような賑わいを失っていった。 ところがアロハタワー複合体計画がホノルル港の商業活動活性化プランとして持ち上がっ
た。 一九九四年、海事時代の古きよきホノルルに面影を残すアロハタワーを軸としてアロハタワーマーケットプレイスがオープン
した。 それによりホノルル港は港湾施設、歴史的建造物、ショップ、レストランが一帯となったオアフの一つの主要観光地として
生まれ変わっている。
 
文:阿部 道子
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