ホノルル点描
第 3 回 : 「モイリリ日本人墓地」

画: 西川幸夫

 

 
カピオラニ大通りの東端、H1フリーウエイの手前のカイムキハイスクールの横手に、石碑が林立する墓地が見える。 
この地からハワイ大学にかけてのモイリリ地区はその昔、日本人町として栄えたところだ。
 
マキキ墓地の日本人区画が満杯になったことから、本派本願寺ハワイ別院の今村恵猛師が、 新しい墓地の建設を
計画し、信者に依頼して土地の取得にあたらせた。当時この地は町はずれで米田と蓮田に囲まれた小高い所だった
という。 六フィート掘って水が出ないことを確かめて衛生局の許可をとった。
 
一九〇六年に開設されて以来、日本人一世が数多く埋葬されているが、石碑は残るが大部分の木標は朽ち果ててし
まっている。 そんなことから「万霊塔」や、「明治元年移民のハ ワイ渡航百年」の石碑が建立された。個人としてはひ
ときわ目を引くのが「木村斎次君之碑」。 官約移民第一号の木村斎次氏の抜群の功績と日本人社会発展に大きく貢
献した遺業を称えて、知友が一九一八年に建立したものだ。
 
また、名曲「別れの磯千鳥」の作曲家・フランシス座波や、日系社会を揺るがした福永事件のマイルス福永寛の墓碑
など、日系人の歴史がそこにある。
南キング街とユニバーシティ角に花屋さんが何軒かあるが、かつては十数軒が並
び、お盆には大変な賑わいだったそうである。

 

文: 永井雄治
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